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9.1 他 誌

[和文発表]

近畿ブロックにおける食品由来感染症の病原体 情報の解析及び共有化システムの構築に関する 研究

厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症及 び予防接種政策推進研究事業 食品由来感染症の 病原体情報の解析及び共有化システムの構築に関 する研究 平成28年度 総括・研究分担報告書,

62-75(2017)

大阪府立公衆衛生研究所 勢 戸 和 子 兵庫県立健康生活科学研究所 齋 藤 悦 子 荻 田 堅 一 秋 山 由 美

(研究協力者 他24名)

近畿ブロックでは,腸管出血性大腸菌(EHEC)

O157の遺伝子型別法として,IS-printing System (IS) 法 及 び パ ル ス フ ィ ー ル ド ・ ゲ ル 電 気 泳 動

(PFGE)法の精度管理を実施するとともに,近畿 ISデータベースを活用して,流行株の探知や複数 の自治体のまたがる事例の解析を行った.2016年 には266株が登録され,IS法で77タイプに型別 された.7月には感染研ISパターン番号AA024の 32株が分離され,同一感染源であることが強く疑 われた.また,近畿ISデータベース登録株につい て,エキストラバンド情報が整理された.

牛における薬剤耐性βラクタマーゼ産生菌の保 有実態に関する包括的調査研究

平成27年度「地域保健福祉研究助成」研究報告集

(大同生命厚生事業団),153-157(2016)

http://www.daido-life-welfare.or.jp/subsidize/we lfare/results.htm

兵庫県立健康生活科学研究所 荻 田 堅 一

牛の腸内容物からの薬剤耐性遺伝子の効率的な スクリーニング法の検討および兵庫県産牛におけ るカルバペネマーゼ遺伝子等の薬剤耐性遺伝子の 保有実態の調査を実施した.

兵庫県産牛100頭の内、コロニースイープ法に よる耐性遺伝子スクリーニングでは 3 頭から、抗 菌性物質添加培地を用いたスクリーニングでは 5

頭から ESBL 遺伝子を保有した大腸菌が検出され た.これらの遺伝子型は全てCTX-M型であった.ど ちらの方法においてもカルバペネマーゼ遺伝子を 保有した大腸菌は検出されなかった.

揮発性有機化合物の多成分一斉分析法開発とデ ータベース化に関する研究

平成 28 年度厚生労働科学研究費補助金 健康安 全・危機管理対策総合研究事業「水道水質の評価 及び管理に関する総合研究」

兵庫県立健康生活科学研究所 研究協力者 川 元 達 彦 井 上 亘 谷 畑 智 也

近年,科学技術の進歩に伴い,化学物質の種類 と使用量の増大から,想定外の化学物質が水環境 等に排出される可能性があることから,対象物質 を定めず,網羅的に分析を行う,ノンターゲット 分析の適用について更なる検討が必要と考えられ る.

例えば,P&T-GC/MS を用いた揮発性有機化合物 分析もノンターゲット分析の一種であり,試料中 から検出された物質のマススペクトル情報に基づ いて定性を行うことができ,各化学物質のデータ ベースを予め準備しておけば,標準物質を揃えて おかなくても,スクリーニングが可能であり,水 道水の安全性確保に貢献できるものと考えられる.

本研究では,水質基準項目,水質管理目標設定項 目,要検討項目のみならず全国の水道水源等で水 質事故の原因物質等となった揮発性有機化合物 61 種類の多成分一斉分析法の開発とデータベー スの構築を行った.

飲料水健康危機管理対応を目的とした水道水源へ の汚濁物質監視地図システムの構築

平成27年度「地域保健福祉研究助成実績」(公益 財団法人大同生命厚生事業団),148-152(2016)

http://www.daido-life-welfare.or.jp/subsidize/we lfare/results.htm

兵庫県立健康生活科学研究所 井 上 亘

上 村 育 代

川 元 達 彦

吉 田 昌 史

平成24年5月の関東地方の首都圏で起こったヘ キサメチレンテトラミン(HMT)事故を受け,厚生 労働省が HMT をはじめ24の消毒副生成物前駆物質 と12の事故原因物質をリストアップした.本研究 では,県下の浄水場,汚水処理場及び排出事業所 などをデータベース化し,マッピングすることで 可視化・解析することで,潜在リスクの高い箇所 を抽出し,優先順位をつけて調査を行い,飲料水 健康危機管理に寄与することを目的とした.水源 における PRTR 事業所や下水処理場の有無,PRTR 事業所及び処理場からの距離,浄水処理方法など のデータを用いて,水源域での様々な汚濁に対し て水質監視の必要な浄水場をエクセル上で抽出し,

そのデータからマクロを使ってKMLファイルを作 成した.本研究で開発したシステムの特徴は,1.

基盤地図を使用せず,地図上に表示するデータだ けをKMLファイルにすることで,ファイルの容量 が小さく,メールなどで様々なデバイスに送るこ とができること.2.スマートフォンなどの携帯デ バイスで表示すれば,そのGPS機能で現在地が確 認できるため,現場での使用に有効であること.3.

データはエクセルで管理するため,入力,更新,

データ抽出が容易であり,汎用性が高いこと.4.

水源データに,他の水質事故にかかる要因,例え ば,油流下に対しては油を使用,保管する施設,

かび臭に対してはため池を,原虫に対しては下水 処理場,牧場,家庭浄化槽供用区域のデータを加 えることなどで応用可能であること.5.KMLファ イル生成に用いたマクロは平易なものであり,技 術継承が容易であること.6.用いたデータは,入 手しやすく,他の事業体でも同様のシステムを構 築することが容易であることなどであった.

[欧文発表]

A pediatric patient with interstitial pneumonia due to enterovirus D68

J. Infect.Chemother., 22(10), 712-715 (2016) 神戸大学大学院医学研究科小児科学分野

松 本 真 明 粟 野 宏 之 冨 岡 和 美 運 崎 愛 西 山 将 広

豊 嶋 大 作 池田(谷口)真理子 永 瀬 裕 朗 森 岡 一 朗 飯 島 一 誠 兵庫県立健康生活科学研究所 荻 美 貴 神戸こども初期急病センター 石 田 明 人

エンテロウイルスD68 (EV-D68)は主に呼吸器感 染症を引き起こし,小児が感染すると重症化し入 院する割合が高い.EV-D68に感染した4歳女児の 症例を報告する.患者は風邪症状が出現後,急速 に呼吸状態が悪化し,24時間以内に人工呼吸器が 必要となった.胸部画像所見や血液マーカーの増 加等から間質性肺炎と診断され,PCR 法により気 管支肺胞洗浄液からEV-D68が検出された.ステロ イドが治療に顕著な効果を示し,入院15日目に人 工呼吸器を外し,34日目に退院した.EV-D68感染 による間質性肺炎に対するステロイドの有効性を 確認するため,さらなる調査が必要である.

Shiga Toxin Subtypes and Virulence Genes in Escherichia coli Isolated from Cattle

Jpn. J. Infect. Dis., 70(2), 181-185 (2017) 兵庫県立健康生活科学研究所 秋 山 由 美

二 井 洋 子

齋 藤 悦 子

荻 田 堅 一

辻 英 高

近 平 雅 嗣

兵庫県食肉衛生検査センター 坂 江 博

福 永 真 治

宮崎大学農学部 井 口 純

兵庫県内の飼育牛から分離した志賀毒素産生性 大腸菌(STEC)が保有する志賀毒素遺伝子のサブタ イプをPCR法で調査した.主として検出されたの はstx1aとstx2aで,以下検出頻度の高いものか ら,stx2d, stx2c, stx2b, stx2gの順となった.

志賀毒素は,サブタイプごとに毒性や同時に保 持している病原遺伝子に特徴がある.今回の調査 で,強毒性と関与するといわれるstx2dを保有す る STECやestA1を同時保有する STEC/ETECのハイ ブリッド型の菌株が牛から検出された.これらは,

人からの検出報告はそれほど多くない.しかし,

牛が保有する大腸菌は食品等を介して人への感染 源となることから,新たな病原性を獲得した大腸 菌の保有実態を監視することは,人へのリスクを 考慮する上で重要である.

9.2 兵庫県立健康生活科学研究所健康 科学研究センター研究報告第 8 号(2017)

【原著】

2012~2015年度に搬入された腸管出血性大腸菌の

ベロトキシンサブタイプと病原遺伝子及び細胞付 着因子の保有状況について

齋藤悦子,秋山由美,荻田堅一,坂野 桂,二井 洋子,辻 英高

【ノート】

兵庫県における 2015/16 シーズンのインフルエン ザウイルス株の性状解析

押部智宏,荻 美貴,髙井伝仕,近平雅嗣,岡藤 輝夫,望月利洋

兵庫県における A群ロタウイルス検出状況と遺伝 子解析の有用性(2012/13~2015/16シーズン)

髙井伝仕,荻 美貴,押部智宏,近平雅嗣

抗菌性抗生物質であるモネンシンナトリウムの牛 の筋肉及び腎臓からの分析法の検討

服部涼子, 後藤 操, 川元達彦, 吉田昌史

除草剤ブロモブチドの水道原水等からの高感度分 析法の開発及び県内での実態調査

川元達彦,井上 亘,谷畑智也,吉田昌史

カビ毒代謝物であるアフラトキシン M1 の乳中か らの分析法の検討

後藤 操,林 幸子,服部涼子,吉田昌史

【資 料】

兵庫県における梅毒患者数の推移(2007年~2016 年)

秋山由美,山本 司,近平雅嗣

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